北海道の森の中にアトリエを作った理由 森カフェの前の話

自然の中にアトリエがなければならない理由があります。

それは、あとりの作風にあります。
初期のあとり作品のモチーフとなっているものが、自然を対象としたものが多かったからです。

蝶が舞う空

こちらの作品は、初期の頃の色鉛筆画になります。 色彩豊かな演出で描かれた蝶の蜜を吸う様子が描かれています。

深海に舞う人魚たち

海の中で人魚たちが舞い踊る姿が描かれた作品です。
こちらも、色鉛筆による作画です。

様々な土地を巡り、あとりは作風と風土のあった場所を選びました。
それが、北海道にある、現在のねこの家の場所です。


※ねこの家から見た景色

森でもなく、海でもなく、ただただのどかな時間だけが過ぎて行く小高い丘の上。

風のやむことのない厚田の地区にありながら、アトリエの建つ場所にはそれほど強い風にもあたらない。

海が近いけど、海風のように強い勢いでなく、ゆったりとした風の流れが、アトリエの時間を動かしているように思えます。

穏やかで、のんびりと、そして森の中にいるような錯覚を感じてしまう空間を、あとりは作りたかったのかもしれません。
もちろん、理想に合った場所をすぐに見つけることができたわけではありません。
作品とあとり自身との対話が行われていたのかもしれません。

作家がアトリエを持つということは、そこが人生の大きな岐路になります。
場所と空間によって、どんな世界が生み出せるのか?
自らの思想と理想に近づける環境を整えるには、どんな場所が必要なのだろうか?

あとりは思想の中で奔走しました。

 ただ、そこに工房を持つだけではいけなかったのです。


自然的な空間よりももっと大切にしたい答えがありました。

その答えがあとりの中で一つに結ばれない限り、奔走は続いていたのかもしれません。

アトリエが建築された当時は「ぎゃらりー&かふぇ ねこの家」という名称ではありませんでした。

「アトリ・アートスペース」というのが、この場所の正式な名前です。

今でも、グーグルマップにはアトリ・アートスペースと記載があります。

こちらが「アトリ・アートスペース」の地図です。

もう一枚の地図が同じ場所にある「ぎゃらりー&かふぇ ねこの家」になります。

◎ねこの家はアトリ・アートスペースから始まりました。

『第二話』

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