小樽の街を火事から救った? 犬がいる? 小樽のシャチホコは火事の際に口から水が出るのか?

消防犬 ぶん公


小樽雪あかりの路バックヤードツアーに参加して、ガイドの方から
小樽と防火にまつわる二つのエピソードをお伺いしました。

二つとも小樽運河のすぐ近くにある運河プラザに関係しています。

一つ目は小樽の消防犬「ぶん公」についてです。
小樽運河プラザの傍らに「消防犬ぶん公」の記念碑、ブロンズ像があります。
昭和初期に消防署で飼われていた犬で、消防作業の時に火事の通報があると消防士の誰よりも早く消防車に乗り、現場に到着すると放水ホースのねじれを直したり、吠えてやじ馬の見学者達を整理する大活躍の犬だったとか。
当時の新聞やラジオでも話題になり、有名になったそうです。

記念碑の側には当時の消防車とぶん公の写真があります。


立派な消防車のステップに乗っているぶん公の写真です。

ぶん公がいつから消防にいるのか詳細はわかりませんでした。
昭和初期と、大正時代という説がありますので、昭和初期には活躍していたのでしょう。
1938(昭和13)年2月3日に亡くなったそうです。
盛大な消防組葬が行われ、功績を称えて剥製になり今でも博物館に展示されているそうです。

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小樽のシャチホコは何のため? 火事のときに、シャチホコの口から水は出るのか?


もう一つのエピソードは小樽運河プラザの建物の上にあるシャチホコの説明です。


私達は何度も小樽運河を訪れていましたし、運河プラザの前も通っていたのですが今回説明をしていただくまで屋根にシャチホコがついていることに気がつきませんでした。

シャチホコ(鯱)はお城の天守閣についているイメージだったので、まさか小樽の倉庫についているとは思いませんでした。
小樽運河が観光名所になったから、うっかりつけちゃったのか、なんて思ったのですが、シャチホコがついている理由がありました。

シャチホコは頭が虎で体が魚という想像の生き物なのですが、建物が火災になった時には口から水を噴き出して火を消すという迷信というか、言い伝えがあるのだそうです。
もちろん、本当に口から水を吹き出すと思ってシャチホコをつけているわけではないと思いますが、火伏(ひぶせ)の願いが込められているのではないかとガイドの方が説明してくれました。納得です。

小樽運河プラザは元々小樽倉庫で、たくさんの荷物が置かれていたはずです。
大切な荷物を火災から守るために立派な石作りの倉庫やシャチホコをつけたのでしょうね。

このシャチホコ、本当に立派です。
これだけのシャチホコを取り付けるなんて、やはり相当景気がよかったんですね。
「金に糸目はつけない」なんて言葉がありますが、そんな感じです。
今だと、「予算このぐらいでお願いします」といった依頼になると思いますが。
そういえば、金融資料館(旧日本銀行)も当初の計画よりかなり予算オーバーしたそうです。
こちらは公(おおやけ)の建物ですから、予算オーバーした時の調整が大変だったでしょうね。

小樽の町について調べると、火災のキーワードが浮かび上がってきます。日本は木造建築が主流で、石作りの建物は少ないのですが、小樽は多いですね。
小樽運河を囲む倉庫もレンガや石でできています。
火災対策のために作った石作りの倉庫が国際的な観光名所になるとは。明治時代のみなさんは思いもよらなかったことでしょう。

今も運河プラザのシャチホコとぶん公は小樽の町を火災から守っているようです。

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