前衛の女王〔草間彌生〕

草間彌生氏の作品には、音色が感じられます。


生まれ出る存在であったり、激しく自己をむき出しにした表現方法。
まるで、人間を超えた動物的で自己の衝動を抑えきれなくなった獣のような世界観を持っています。
私は、そう感じました。

私が草間彌生氏の存在を知ったのは、今から十数年前前になります。
メディアによる草間彌生という人間の肖像についての番組だったことを覚えています。

メディアで紹介されていた時の彼女の表情は、とても落ち着いていて、彼女自身自然界の一部のように等々とした時間の流れを持っていました。

筆を持った姿も拝見しました。
それはまさしく、タイムパラドックスに感じました。
不思議な筆使いで、迷いもなく、そして計算もない。
まるで、草間彌生氏はもともとそこにその色があること自体が自然であり、ないことのほうが不自然であるかのように、筆を進めていきました。

当時、私は草間彌生氏をこう思いました。

原始の力を持ち、まるでシャーマニズムなように神降ろしをする近代に生きる色の呪い師である。と。

国立美術館での草間彌生


今回、国立美術館で草間彌生の世界に入ることで、更に私は草間の迷宮に誘い込まれました。


作品を通して感じられたことは、そこに草間彌生氏が存在しているかのような錯覚でした。

今、そばにいて、彼女はここに存在している。
そう感じました。

生命の源に近く、そして、誕生の洞窟から未だ出てきていない彼女の記憶が伝わってきました。

これからも、私は草間彌生氏のファンでいることと思います。
皆様も、草間彌生の世界を心で感じてみてはどうでしょうか。
少し違った世界を見ることができるかもしれません。

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