国立新美術館で開催中のミュシャ展

チェコ国内の展示のみで門外不出だったスラブ叙事詩


現在、国立新美術館(東京六本木)でミュシャ展が開催されています。国立新美術館が開館10周年でチェコと日本が国交を再開して60年という節目の年でもあるそうです。
チェコ国内の展示のみで門外不出だったスラブ叙事詩を日本展示できたのは、こんな外交事情もあるからなのかもしれません。

日本でも大人気のミュシャですから、会場内は大勢の人でにぎわっていました。

ミュシャ展に来ている方はどんなきっかけで展示会に来ているのでしょうか?

①もともと、ミュシャの絵が好きだから。
②ミュシャのスラブ叙事詩がチェコ以外では展示されていない貴重な作品だから。
③メディアで紹介され、興味を持ったから。
④ポスター等で告知されている「スラブ叙事詩」の絵のテイストが我々がよく知っている舞台美術家のミュシャと異なり、心ひかれたから
などなど。

他にも来場する様々なきっかけがあるかも知れませんが、とにかくたくさんの人の心をとらえていることは確実なようです。

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作品を見に来た人達の中で、どのくらいの人が平和を願うミュシャの心に共感していたのかはわかりません。しかし、今回のミュシャ展では、「スラブ叙事詩」を製作するに至ったミュシャの軌跡が巧みに表現されていました。
今回のミュシャ展の企画に関わったみなさんに脱帽です。お見事でした。

ミュシャは、舞台芸術に関わりパリでの華々しい活躍の後、パリの万博でプロデューサーとして企画デザインを担当します。その万博の仕事に関わる中でスラブ民族を意識しはじめます。

宗教的な弾圧や戦争での死傷者など、歴史の暗い部分にもスポットをあてながらスラブ民族の伝説や歴史をまとめ、民族の誇りを絵画で表現したミュシャ。スラブ民族が一つになることを唱え続けたミュシャ。

あえて、テンペラ画という昔ながらの宗教画に使われた卵を使った表現技法を使いながら圧倒的な大画面で「スラブ叙事詩」を展開して見せたのです。

ちょっと、難しい言い回しになってしまいましたが、「スラブ叙事詩」を通してミュシャの圧倒的な力を感じました。80点ほどの作品が展示されていたそうなのですが作品を見終えた後、ちょっと放心状態になったほどです。
ますますミュシャが大好きになった展示会でした。

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