あとりの理想の工房(アトリエ)とは?
自然光が優しく建物内を満たしてくれる空間作りを最初に思いつきました。
それは、あとりの持つ自然崇拝的な概念にあるのかもしれません。
朝になれば朝日が昇り、朝日と共に時間が動きし、太陽がちょうど真上にきたときにお昼を知らせます。
季節によっても違いますが、アトリエからも朝日が入ってきます。
強い光の柱ではなく、木々の合間から優しく建物に注ぎ込まれてきます。
太陽が真上にある頃、アトリエを正面にして右側に来ます。
屋根の先端より部分のラインを5月の正午を示し、6月の下旬をピークとして、7月、8月と月を追うごとに太陽の向きが下へと降りてきます。
森の中にあって、季節を感じられることが、建物を作るうえでの絶対条件でした。
風の向きもそうです。
北、東、南の三方が木々によって強い風が防がれています。
ちょうど西向きの風のみが、8月の暑い日に風が通るようになっています。
季節によって風の向きも違います。
自然の働きを感じ取れるように、建物は建てられています。
街から離れ、人工的に作られた時間からも離れ、自然と共に過ごす時間が作家あとりにとってとても重要な答えの一つでした。
『第三話』
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